実り豊かな大地、ふりそそぐ太陽、恵みの雨―古来より日本人は、自然が育む田の
恵みを、かけがえのない宝物として尊んできました。
TaKaRa
グループの社名「寶」の
語源は、
「田から」収穫された穀物に由来するとされ
*
、農耕を生活の糧としてきた日
本人の価値観と強く結び付いています。
TaKaRa
グループは、日本伝統の酒造りの発酵技術と最先端のバイオ技術の革新
を通じ、食生活や生活文化、ライフサイエンスにおける新たな可能性を探求してきまし
た。今後も新たな価値を創出し、創業以来続く、自然を尊ぶ精神に根ざした製品およ
びサービスを提供し、社会に貢献してまいります。
*冨山房「大言海」大槻文彦著
自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて
人間の健康的な暮らしと
生き生きとした社会づくりに貢献します。
1842年 創業
1897年 「寶」印の商標を登録
1925年 寳酒造株式会社(宝ホールディングス株式会社の前身) 創立
1949年 株式を上場
1979年 国産初の制限酵素を発売(バイオ事業を開始)
1982年 米国で清酒の現地製造を開始
1993年 長期経営構想「Ti-21」スタート
2000年 長期経営構想「Te-100」スタート
2002年 持株会社体制へ移行
宝ホールディングス株式会社 設立
2004年 タカラバイオ株式会社 東証マザーズ上場
2006年 グループ内の事業を再編し宝ヘルスケア株式会社を設立
2011年 長期経営ビジョン「TaKaRaグループ・ビジョン2020」スタート
「TaKaRaグループ中期経営計画2013」スタート
企業理念
TaKaRa
グループの歩み
宝ホールディングスは、酒類・調味料事業を展開する宝酒造グループ、バイオ事業を展開するタカ
ラバイオグループ、健康食品事業の成長を加速させる役割を担う宝ヘルスケアを傘下に置く純粋持
株会社として、グループ全社の経営を調整・統括し、最大限の事業成果を追求しています。
この持株会社体制のもと、
TaKaRaグループは、酒類・調味料事業を安定的な収益基盤とし、バイ
事業構造
事業内容
宝酒造グループは、創業以来続く酒類・調味料事業を展開する
TaKaRa
グルー プの中核事業です。170
年の長きにわたり、確かな技術に裏付けられた安心できる商品を提供してきました。その商品カテゴリーは、焼酎、清酒、ソフトアルコール 飲料、ワイン、ウイスキー、中国酒、調味料、原料用アルコールなど多岐にわたり、 日本国内のみならず、米国、中国、欧州の子会社を通じて、グローバルに展開してい ます。
宝酒造グループ
タカラバイオグループでは、遺伝子治療などの革新的なバイオ技術の開発を通じ て、人々の健康に貢献していきたいと考えています。技術および収益の基盤である 「遺伝子工学研究事業」で安定的な収益を稼ぎ出し、「医食品バイオ事業」を第
2
の収益事業へ育成し、「遺伝子医療事業」に経営資源を投入して遺伝子治療・細 胞医療の商業化を目指しています。
タカラバイオグループ
宝ヘルスケアは、
TaKaRa
グループの持つ独自素材や技術を活かした安心・安全な健康食品の販売を通じて、人々の健康で生き生きとした生活を応援していま す。タカラバイオが開発した素材で製品開発を行い、マーケティング活動や通信販 売を中心とする販売活動を行っています。この一連の取り組みを通じて
TaKaRa
グループのシナジーを追求し、健康食品事業の成長を加速させています。
宝ヘルスケア
酒類・調味料事業 バイオ事業 健康食品事業
宝ホールディングス
宝 酒 造グループ
宝 ヘルスケア
その他子会社
タカラバイオグループ
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28
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6
TaKaRa
グループ中期経営計画
2013
10
業績ハイライト
12
株主・投資家の皆様へ
19
社長就任のご挨拶
20
csR
22
コーポレート・ガバナンス
26
役員
28
事業概要
30
連結財務ハイライト
32
主要子会社データ
33
投資家情報
将来見通しに関する注意事項
「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」達成へのロードマップ
環境変化に強い
バランスのとれた
事業構造を確立
TaKaRa
グループ
中期経営計画
2013
•
国内における
安定成長の実現
•
海外で大きく
成長するための
事業基盤の拡大
2011年度
(2011年4月) (20132014年度末年3月) 2020年度末
TaKaRa
グループ・
ビジョン
2020
の実現
第
1
ステップ
第
2
ステップ
第
3
ステップ
長期経営ビジョン―TaKaRaグループ・ビジョン
2020
国内外の強みを活かせる市場で事業を伸ばし、
環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立する。
TaKaRaグループは、長期的な企業価値の向上を目指し、長期経営構想とその実行計画である中
期経営計画に基づくグループ経営を進め、着実に事業基盤を拡大してきました。
TaKaRa
グループ中期経営計画
2013
風土・人財の育成
基盤事業
中核事業として収益力の強化に取り組み、グループの成長を支える。基盤事業
成長事業
グループ全体の成長を牽引する。成長が見込まれる市場で、積極的に事業拡大を図り、育成事業
成長が見込まれる市場で、次期の成長事業化を目指し、事業基盤の確立に取り組む。健全な財務体質を維持しながら、成長・育成事業への投資と、
積極的な株主還元を実施し、
Roe
(自己資本利益率)の向上を目指す。
財務方針
社会・環境行動の推進
グループ経営基盤の強化
事業の位置付けと事業方針
国内酒類事業
調味料・酒精事業
海外酒類事業、日本食材卸事業
遺伝子医療事業
健康食品事業
遺伝子工学研究事業
調味料・酒精事業
海外酒類事業、日本食材卸事業
遺伝子医療事業
健康食品事業
遺伝子工学研究事業
2020
年までの長期経営ビジョン「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」では、国内外の強みを活かせる市場
で事業を伸ばし、環境変化に強いバランスのとれた事業構造を確立することを経営目標に掲げています。こ
の目標の実現に向けた第
1
ステップとして策定した「
TaKaRa
グループ中期経営計画
2013
」では、
『国内にお
ける安定成長の実現』と『海外で大きく成長するための事業基盤の拡大』を目指しています。
「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」の実現に向けて、
国内での安定成長を実現するとともに、
海外で大きく成長するための事業基盤を拡大する。
最終年度(
2014
年
3
月期)の定量目標
売上・利益水準の向上
連結売上高
2,000
億円以上
連結営業利益
100
億円以上
11.3 14.3
10,000
8,335
11.3 14.3
200,000
189,769
連結売上高
5.4%
増
連結営業利益
20.0%
増
海外で大きく成長するための事業基盤の拡大
海外売上高
200
億円以上
海外売上高比率
10
%以上
10.0%7.8%
14.3 11.3
11.3 14.3
20,000
14,716
海外売上高
35.9%
増
海外売上高比率
+
2.2%
成長事業の拡大と育成事業の基盤確立
成長事業および
育成事業の売上高
500
億円以上
成長事業および
育成事業の
売上高比率
25%
以上
25.0%14.3 11.3
21.0%
11.3 14.3
50,000
39,895
成長事業および 育成事業の売上高
25.3%
増
成長事業および 育成事業の売上高比率
TaKaRa
グループ中期経営計画
2013
事業別の取り組み
事業方針 安定的なキャッシュ・フローを生み出し、グループの成長を支える。
事業戦略
•
新商品の開発:差別化品質を持ったオリジナリティある新商品の開発•
ブランドの育成:こだわりゾーンとスタンダードゾーンの双方で多数の強いブランドを育成•
収益力の強化:利益マネジメントの強化と、業務効率化の推進事業方針 海外で日本食材卸販売網を構築するとともに、両事業のシナジーを活かして事業成長を加速させ、 グループ全体の成長を牽引する。
事業戦略
•
海外酒類事業の拡大:日本食レストラン市場におけるシェアアップと量販チャネルにおける間口拡大•
日本食材卸販売網の構築:海外における販売網の構築・拡大 低高
価格帯
市場規模
こだわり ゾーン
スタンダードゾーン
松竹梅白
しら壁
かべ蔵
ぐら「澪
みお」スパークリング清酒
ほどよい酸味とほんのり甘い味わい、爽やか な泡立ちが楽しめる発泡性清酒 松竹梅白壁蔵 「澪」スパークリング清酒 は、清酒の消費数量
が減少する中、清酒の新しい魅 力を伝える存在として注目されて います。
中小容量の商品をチューハイ 感覚で楽しむ、20代・30代の男 女のニーズに合った、低アルコー ルで飲みやすいほんのり甘い味 わいの酒質を実現しました。
こだわりゾーンの新商品(2011年6月発売)
松竹梅「天」
900ml
エコパウチ
独自の二段酵母仕込によってコクとキレを同 時に実現したすっきり辛口の味わいが特長の 松竹梅「天」は、2003年の発売以来、多くのお 客様にご愛顧いただい
ています。
松竹梅「天」900ml エコパウチ はオリジナ ルのパウチパックを使 用した清酒で、同容量 の紙パック商品と比較 して約50%の減量化を 実現した環境にやさし い商品です。
スタンダードゾーンの新商品(2011年9月発売)
基盤事業
国内酒類事業
宝酒造グループ
成長事業
海外酒類事業の拡大
海外酒類・日本食材卸の両事業を通じて
日本食文化を世界に広め、海外事業の拡大を図る
日本食材卸販売網の構築
海外清酒市場で
圧倒的シェアNo. 1への基盤構築
・日本食レストラン市場での販売拡大とシェアアップ ・量販チャネルの取り扱い間口拡大
・高品質の清酒を世界に向けて安定供給
販売網を構築・拡大し
欧州市場における事業拡大を加速
・フーデックス社による欧州流通網の拡大 ・欧州の日本食レストランへのアプローチ強化
海外酒類事業、日本食材卸事業
宝酒造グループ
事業方針 安定的なキャッシュ・フローを生み出し、グループの成長を支える。
事業戦略
•
新商品の開発:差別化品質を持ったオリジナリティーある新商品の開発•
ブランドの育成:こだわりゾーンとスタンダードゾーンの双方で多数の強いブランドを育成•
収益力の強化:利益マネジメントの強化と業務効率化の推進事業方針 海外で日本食材卸販売網を構築するとともに、両事業のシナジーを活かして事業成長を加速させ、 グループ全体の成長を牽引する。
事業戦略
•
海外酒類事業の拡大:日本食レストラン市場におけるシェアアップと量販チャネルにおける間口拡大成長事業
調味料・酒精事業
宝酒造グループ
成長事業
遺伝子工学研究事業
タカラバイオグループ
育成事業
健康食品事業
タカラバイオグループ
宝ヘルスケア
育成事業
遺伝子医療事業
タカラバイオグループ
治療 前臨床試験臨床研究 / 臨床試験第Ⅰ相 臨床試験第Ⅱ相 臨床試験第Ⅲ相 商業化
HsV-TK遺伝子治療 がん治療薬HF10 MazF遺伝子治療
TcR遺伝子治療
2018年3月期
2019年3月期
国内・第i相臨床試験(2013年3月期終了予定)
米国・第i相臨床試験(2013年3月期終了予定) 米国・第i相臨床試験(2016年3月期終了予定)
国内・第Ⅰ相臨床試験(次世代ベクター)(2014年3月期開始予定) 国内・臨床研究(2013年3月期終了予定)
日韓共同治験・第i/ii相臨床試験(2014年3月期開始予定)
国内・臨床研究(次世代ベクター)(2013年3月期開始予定)
2023年3月期
遺伝子医療の臨床開発スケジュール
臨床試験 臨床研究
事業方針 加工業務用調味料事業と酒精事業のそれぞれにおいて事業拡大を図るとともに、 事業統合を活かした
BtoB
事業の成長を図る。事業戦略
•
加工業務用調味料事業の拡大:技術力に基づく商品開発と提案営業で顧客の課題解決に貢献•
酒精事業の拡大:新たなスキームによる事業成長と競争優位性の確立による収益力強化事業方針 基盤技術開発と新興国をはじめとした国内外の市場開拓を進め、売上拡大と収益力強化を図る。
事業戦略
•
遺伝子工学から細胞生物学へ:細胞生物学分野の新製品開発強化、技術的シナジーのある企業等との
提携推進
•
研究支援から産業支援へ:遺伝子増幅(pcR)
技術の応用領域の開拓•
基礎研究支援から先端研究支援へ:高速シーケンス関連試薬の開発事業方針 将来の飛躍的な成長に向け、売上拡大および事業基盤の確立を図る。
事業戦略
•
タカラバイオの技術力による健康食品素材のエビデンス強化•
効果的かつ効率的な費用投下による通信販売顧客の獲得•
BtoB
市場での売上拡大事業方針
国内初の体外遺伝子治療の商業化を目指し、臨床開発を進めるとともに、
細胞医療関連事業の売上拡大を目指す。
事業戦略
•
体外遺伝子治療の商業化に向けた臨床開発の推進•
技術・ノウハウを利用した創薬支援事業の強化•
エビデンス強化のためのがん免疫細胞療法の臨床開発の推進•
細胞医療関連事業(がん免疫細胞療法に関する技術支援、培地・バッグ)の売上拡大08.3 09.3 10.3 11.3
166,788 169,301 166,969 166,790
12.3
175,503
08.3 09.3 10.3 11.3
7,177 7,465 7,129
6,568
12.3
6,768
08.3 09.3 10.3 11.3
20,278
18,913 19,325 18,737
12.3
19,578
08.3 09.3 10.3 11.3
560 426 553 1,097 12.3 1,547
08.3 09.3 10.3 11.3
3,078
2,853
2,486 2,567
12.3
2,338
08.3 09.3 10.3 11.3
−500 −356 −316 −252 12.3 −114
業績ハイライト
宝酒造グループ
88.3
%
タカラバイオグループ
9.9
%
宝ヘルスケア
1.2
%
売上高
(百万円) 売上高
175,503
百万円
(前期比+
5.2%
) 営業利益6,768
百万円
(前期比+
3.0%
)198,690
百万円
(前期比+
4.7%
)
連結売上高
9,264
百万円
(前期比+
11.2%
)
連結営業利益
売上高
19,578
百万円
(前期比+
4.5%
)営業利益
1,547
百万円
(前期比+
41.0%
)売上高
2,338
百万円
(前期比−
8.9%
)営業損失
–114
百万円
(前期比
137
百万円改善)売上高構成比
売上高
(百万円)
売上高構成比
売上高
(百万円)
売上高構成比
営業利益
(百万円)
営業利益
(百万円)
営業損失
(注) このページに掲載しているセグメント概況は、報告セグメントに関するものであります。報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意思決 定機関が経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている「宝酒造グループ」、「タカラバイオグループ」、「宝ヘルスケア」の3つのセグメントで構成さ れています。なお、p30に掲載している「連結財務ハイライト」では、印刷事業などの機能会社グループの業績や、連結消去などをネットして「その他」に含めて記載しております。
2011年
6月 松竹梅白壁蔵「澪
みお
」スパークリング清酒を発売
9月 松竹梅「天」エコパウチを発売
10月 本格麦焼酎「知しらしんけん心剣」<洞窟 貯蔵>を発売
2012年
3月 本格焼酎「琥珀のよかいち」<麦>を発売
3月 ミント焼酎「Mミ ン タ スiN+」を発売
2011年 4月
長期経営ビジョン「TaKaRaグループ・ビジョン
2020」スタート
「TaKaRaグループ中期経営計画2013」スタート
12月 株主還元策として220万株(1,070百万円)の
自己株式を取得
2011年 5月
バイオ医薬品の安全性試験サービスを日本で 開始
6月 ヒト全ゲノムシーケンス解析サービスを開始
7月
臨床試験での使用を目指したips細胞作製用 プラスミドベクターの製造供給に関する契約を 京都大学ips細胞研究所と締結
10月 非ホジキンリンパ腫を対象とした遺伝子治療の臨床開発プロジェクトを開始 2012年
1月 株式会社免疫生物研究所と販売契約を締結 3月 エイズ遺伝子治療の臨床試験実施申請資料を米国食品医薬品局へ提出
2011年 6月
「グルコサミン+アガロオリゴ糖」をリニューア ル発売
10月
寒天由来「アガロオリゴ糖」を配合した美容サ プリメント「アガロビューティープラセンタ」を 発売
当期の宝酒造グループは、ソフトアルコール飲料の大幅な増収をはじめ、本み りんを除く全てのカテゴリーで売上を伸ばしました。加えて、前期に連結子会社化 したフーデックス社(仏国)の業績が通年寄与した影響により、売上高は前期比
5.2
%増収の175,503
百万円となりました。利益面では、原材料価格の高騰を受け売上原価率が上昇したことに加え、配送 拠点の震災被害に伴う運送費の増加、また焼酎・ソフトアルコール飲料の売上増 に伴う販売促進費の増加があったものの、営業利益は前期比
3.0
%増益の6,768
百万円となりました。
2012
年3
月期(以下、当期)の連結売上高は、宝酒造グループおよびタカラバイオグループともに増収となった結果、前期比
4.7%
増収の198,690
百万円となり、過去最高を記録しました。
利益面では、全てのグループで増益となった結果、営業利益は前期比
11.2%
増益の
9,264
百万円となりました。業績概況
業績概況
主な活動
主な活動
当期のタカラバイオグループは、主力の遺伝子工学研究事業において、研究用 試薬が円高にもかかわらず好調に売上を伸ばしたことに加え、理化学機器も質量 分析装置等を中心に売上を伸ばしました。また遺伝子医療事業においてはがん免 疫細胞療法の技術支援サービスの売上が好調に推移し、医食品バイオ事業ではキ ノコ関連製品が増収となりました。以上の結果、売上高は前期比
4.5
%増収の19,578
百万円となりました。利益面では、売上原価率が前期に引き続き改善し、販売費及び一般管理費が ほぼ前期並みとなった結果、営業利益は
1,547
百万円と、前期比41.0%
の大幅な増益になりました。
業績概況
主な活動
当期の宝ヘルスケアは、フコイダン関連製品やヘアケア製品等を中心とする
oeM
事業が好調だったものの、茶飲料pB
供給事業の売上減少から、売上高は前期比
8.9
%減収の2,338
百万円となりました。利益面では、利益率の高いフコイダン関連製品の売上拡大により、売上総利益 が前期比
3.2
%増益の845
百万円となりました。また、販売費及び一般管理費について各費目での削減に努めた結果、営業損失は
114
百万円と、前期に比べ137
百万円の収支改善となりました。なお、宝ヘルスケアでは、健康食品事業育成のため の広告宣伝費を先行的に投下しているため、営業損失を計上しています。
株主・投資家の皆様へ
TaKaRa
グループが持株会社体制に移行して
10
年。
一層の企業価値向上に向けて、一定の道筋を
つけることができました。
これを機に経営者の若返りを図り、
環境変化に強いバランスのとれた事業構造の確立に
スピード感を持って取り組んでまいります。
この度、
2012
年
6
月
28
日開催の定時株主総会および取締役会を経て、前代表
取締役社長の大宮久が代表取締役会長に、前代表取締役副社長の柿本敏男が代
表取締役社長にそれぞれ就任し、新たな経営体制が発足しました。
代表取締役会長の大宮久は、宝ホールディングス株式会社の前身である寳酒造
株式会社時代を含めて
19
年間、代表取締役社長として
TaKaRa
グループの経営を
担ってきました。その間に、宝酒造グループでは、差別化された品質を持つ商品を
開発・育成する体制を整え、安定的な収益を生み出しながら海外などの成長分野に
打って出る経営基盤を構築することができました。また、自ら事業を立ち上げ、さらな
る成長を目指して
2004
年に上場したタカラバイオグループでは、研究開発投資を
行いながらも安定的な利益成長が見込める経営基盤を確立し、
2012
年
3
月期には
期末配当を開始しました。
このように、今後の成長に向けて一定の道筋をつけることができたのを機に、経営
陣の若返りと次世代を担う経営者の育成を図るため、新たな経営体制へと転換いた
しました。今後は、社長の柿本敏男が経営の現場を担いつつ、会長の大宮久が豊富
な経験や人脈を活かしてサポートしていく体制で「
TaKaRa
グループ中期経営計画
2013
」の達成および長期経営ビジョン「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」の実現
に向けた取り組みを加速させてまいります。
2012
年
7
月
宝ホールディングス株式会社 代表取締役会長
2012
年
3
月期業績の増減要因
2011年3月期実績
2012年3月期実績 宝酒造グループ
タカラバイオグループ
その他
189,769
198,690 +8,713
+840
宝ヘルスケア ▲229
▲403
売上高前期比:
+8,921百万円
年 月期実績
年 月期実績
宝酒造グループ
タカラバイオグループ
その他
8,335
9,264 +199
+449
宝ヘルスケア +137
+142
営業利益前期比: +929百万円
営業利益
(百万円)
売上高
(百万円)
2012
年
3
月期(以下、当期)業績の振り返り
グループ一丸となって過去最高の連結売上高を達成しました。
当期の日本経済は、東日本大震災の甚大な被害、原発事故に端を発する電力供給不安から、経済活動 全般にわたって大きな制約を受けたほか、円高や欧州金融危機といった世界経済の動向、また国内の年金 不安や消費税増税への懸念などから、個人消費は低調に推移しました。
このような環境のなか、当期の当社グループの連結業績は、宝酒造グループ・タカラバイオグループともに 増収となり、売上高は前期比
4.7%
増収の1,986
億90
百万円と、過去最高を記録しました。営業利益は、宝酒造グループ・タカラバイオグループの増益に加え、宝ヘルスケアの損失も改善し、前期比
11.2%
増益の92
億64
百万円となりました。当期純利益については、震災による特別損失を計上したほか、法人税率変更に伴うマイナスの影響を受けたものの、前期比
5.5%
増益の39
億95
百万円となりました。厳しい経営環境の中、大きな成果を残すことができたと考えています。
事業グループ別に見ますと、宝酒造グループでは、ソフトアルコール飲料の「焼酎ハイボール」や「直搾り」 が大幅に売上を伸ばしたほか、焼酎や清酒も好調に推移しました。加えて、前期に連結子会社化した フーデックス社(仏国)の業績が通年寄与するとともに、同期間比較でも大幅に増加したことから、売上高は 前期比
5.2%
の増収となりました。利益面では、原材料価格が高騰し、高止まりの状態が続いていますが、売上の増加によってこれを克服し、営業利益は前期比
3.0%
の増益となりました。タカラバイオグループにおいては、主力の研究用試薬が円高によるマイナスの影響を受けたものの前期比で 増収となったほか、理化学機器、がん免疫細胞療法の技術支援サービス、キノコ関連製品などの売上を伸ば し、売上高は前期比
4.5%
の増収となりました。売上の伸びに加え、原価率が改善し、営業利益は前期比41.0%
の大幅な増益となり、過去最高益を記録しました。宝ヘルスケアにおいては、茶飲料
pB
供給事業の減収によって、売上高は減収となったものの、利益率の高いフコイダン関連製品の売上を伸ばし、営業損失は大幅に改善しました。
年 月期業績の増減要因
酒類・調味料事業 (宝酒造グループ)
健康食品事業 (宝ヘルスケア)
バイオ事業 (タカラバイオグループ)
国内外において環境変化に強いバランスのとれた
事業ポートフォリオへ
海外への
事業拡大
「
TaKaRa
グループ中期経営計画
2013
」
(以下、中計
2013
)初年度の評価
中計2013の目標達成に向け、着実な第一歩となりました。
当社グループは
2011
年4
月、長期経営ビジョン「TaKaRa
グループ・ビジョン2020
」(以下、長期ビジョン) の実現に向けて新たなスタートを切りました。その第1
ステップとして「国内における安定成長の実現」と 「海外で大きく成長するための事業基盤の拡大」を掲げた3
ヵ年計画の中計2013
を策定し、具体的な取り 組みを進めています。計画初年度の当期は、最終年度(2014
年3
月期)の定量目標に対して順調な進 状況 にあると評価しています。まず、売上高(目標:
2,000
億円以上)に関しては、2013
年3
月期に1
年前倒しでの達成を予算化できる 水準まで伸ばすことができました。また、営業利益(目標:100
億円以上)に関しては、3
年間で16
億円以上 の増益とする目標に対して、当期は9
億円以上の増益となりました。目標達成に向けて、引き続き事業推進を 加速させてまいります。して表れてきています。また、タカラバイオグループにおいては、中国での順調な売上拡大に加え、インドで 研究用試薬の販売を本格化させるなど、新興国においても積極的な市場開拓を進めるほか、将来の成長事 業に位置付ける遺伝子医療事業でも売上を伸ばしながら、遺伝子治療の商業化に向けた臨床開発を推し進 めています。宝ヘルスケアについては、健康食品の売上増加によって収支が改善しており、
2013
年3
月期での黒字化を見据えています。
TaKaRa
グループの経営方針
明確な長期戦略に基づく事業展開を継続してまいります。
1842
年に京都・伏見の造り酒屋として創業して以来、170
年の歴史を有する当社グループは、酒類・調味料事業をはじめ、自社の強みを活かせる領域で、息の長い挑戦を続けてきました。技術に根ざした独自性の 高い事業や、高い技術力で差別化された商品を生み出し、長期的な視点に立って育成することが、当社 グループの企業風土であり、グループの発展を支えつづける経営方針です。
近年、宝酒造グループの主力市場である国内酒類市場は縮小傾向にあるうえ、消費者ニーズは細分化が 進み、かつてのような大ヒット商品が生まれにくい環境となっています。また、タカラバイオグループの主力 市場である研究用試薬市場は、技術のトレンド変化が激しく、製品のライフサイクルも短くなっています。 このような環境の中、持続的な成長を実現していくには、「お客様が潜在的に持っておられるニーズを掘り 起こす」精神で、たえず世の中の流れをつかみ、差別化された幅広い製品を取りそろえることが重要であり、 そうすることで
1
つの製品の販売力が低下したとしても他の製品群でカバーできると考えています。事業・商品・地域の各階層で収益構造のバランスをとり、現在の事業ポートフォリオをさらに強化するという長期 ビジョンも、こうした考え方から生まれたものであります。
海外売上高の拡大に向けた方針
日本食文化を世界に広めることで、
宝酒造グループの海外売上高を伸ばしてまいります。
中計
2013
に定める海外売上高比率の目標(10%
以上)達成に向けたポイントは、宝酒造グループの海外売上高を高めることです。タカラバイオグループの海外売上高比率は
38%
を超え、すでに高い水準にはありますが、宝酒造グループの海外売上高比率は
5%
程度であり、中計2013
の最終年度(2014
年3
月期)に向けて、売上高で
52.8%
増(2011
年3
月期対比)を目標としています。高い目標ですが、「環境変化に強いバランスのとれた事業構造」の実現に向け、これは何としても成し遂げたいと考えています。国内で消費者に支持 される商品を取りそろえ、海外へと展開することが重要になると認識しています。
先進国での健康志向の高まりや、新興国の所得水準向上を背景に、海外における日本食市場は拡大傾向 にあります。宝酒造グループでは、日本の酒類や調味料を販売する海外酒類事業と、欧州で日本食材の輸入 卸を行う日本食材卸事業を展開しており、これは当社グループの成長事業の一つと位置付けています。 米国で清酒やみりんなどの製造・販売を行う米国宝酒造は、ドルベースの売上で年率
8%
以上の成長を続けており、
2011
年までに増強した清酒工場の生産能力が向こう数年でフル稼働になる見込みです。当期は生産設備増強に伴う減価償却費の増加から、営業利益は減益となったものの、中計
2013
の最終年度の目標である売上高
3,000
万ドル・営業利益146
万5
千ドルの達成に向け、さらなる販売拡大と生産効率の向上を目指します。
欧州で日本食材卸事業を展開するフーデックス社は、ユーロベースの売上で年率
20%
以上の成長を続けており、売上高営業利益率も
12%
という高い水準を維持しています。同社はフランスを中心に欧州各国に流通網を拡大しており、中計
2013
の最終年度の目標である売上高4,300
万ユーロ・営業利益513
万2
千ユーロは、
1
年前倒しで達成できる見通しです。宝酒造グループでは、引き続き、海外酒類事業と日本食材卸事業の拡大を図るとともに、両事業を通じて 日本食文化を世界に広め、海外売上高の拡大につなげたいと考えています。そして、タカラバイオグループで は、欧米に加えて、中国やインドなどの新興国においても、さらに売上を伸ばし、当社グループ全体の海外売 上高を拡大したいと考えています。
11.3 12.3 13.3 14.3
7.8%
8.4% 8.4%
10.0%
7,528 9,316 9,330
11,500
7,187
7,471 7,650
8,500
14,716
16,787 16,980
20,000
(予想) (中計目標)
海外売上高推移
(百万円)
2013
年
3
月期(以下、次期)の見通しと株主還元策
利益水準の安定的な向上を見込み、増配を決定いたしました。
宝酒造グループでは、原材料価格の高止まりが続く厳しい経営環境の中、差別化商品の開発・育成に より国内における収益力を高めつつ、海外で事業拡大を推し進め、バランスのとれた事業構造の確立を 目指します。次期の業績については、清酒やソフトアルコール飲料を中心に売上を伸ばし、増収増益を見込ん でいます。
タカラバイオグループでは、遺伝子工学研究事業で引き続き国内外市場の積極的な開拓を進めるほか、 遺伝子治療の商業化を目指して臨床開発を推し進めてまいります。次期の業績については、研究用試薬を 中心に売上を伸ばし、研究開発費の増加を織り込んだうえで増収増益を見込んでいます。
宝ヘルスケアでは、売上高は若干の減収となるものの、主力のフコイダン関連製品の売上増加や販管費の 抑制によって、営業黒字化を見込んでいます。
これらの結果、当社グループの連結業績見通しは、売上高
2,028
億円(当期比2.1%
増)、営業利益95
億円(同2.5%
増)と増収増益を見込んでいます。株主還元については、引き続き、安定的な配当の継続を基本に業績連動の要素も加味し、配当と資本 効率の向上に資する自己株式取得を併せて実施します。次期の配当は、
50
銭の増配を実施した当期と同様 に1
株当たり9
円を予定していますが、併せて自己株式取得を通じて積極的な株主還元に努め、50%
以上の 株主還元性向を維持していく方針です。社長就任のご挨拶
この度、代表取締役社長に就任いたしました柿本敏男でございます。
TaKaRa
グループは、酒類・調味料事業という安定的な収益基盤事業と、バイオ事業と健康食品事業とい う有望な将来性のある成長事業を併せ持つ、独自性の高い事業ポートフォリオを築き上げてきており、今後 は国内外において現在の事業ポートフォリオをさらに強化することで、より一層、環境変化に強いバランスのと れた事業構造を確立することを目指しています。この方向性を示したのが長期経営ビジョン「
TaKaRa
グループ・ビジョン2020
」であり、その実現に向けた 第一ステップが「TaKaRa
グループ中期経営計画2013
」であります。私自身も副社長として、長期経営ビ ジョンおよび中期経営計画の策定にも携わっており、社長就任にあたり、これらの経営計画をさらに推し進め ていく覚悟を新たにしております。私は
1973
年に寳酒造株式会社(現 宝ホールディングス株式会社)に入社して以来、長らく技術・生産畑 を歩んできました。新製品の開発や品質向上に注力し、2010
年からは副社長として、グループ経営全般に携 わるとともに、宝酒造の営業部門も統括してまいりました。こうした経験から、「商品開発のヒントは現場にあ る」というのをモットーとしております。国内の酒類市場においては、少子高齢化や飲酒傾向の変化、デフレによる節約志向といった厳しい要因が 存在しています。また、バイオの技術は日進月歩し、開発競争は激化しています。しかしながら、技術力で差別 化された、顧客に支持される付加価値の高い商品・サービスを開発・育成することで、新たな成長の機会を 手にすることができると確信しており、先頭に立ってグループの力を結集してまいりたいと考えております。 これからも新たな経営体制のもと、さらなる成長の実現と企業価値向上に向けて、たゆまぬ努力を続けてま いります。株主・投資家の皆様におかれましては、引き続きご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
宝ホールディングス株式会社 代表取締役社長
この度、第
101
回定時株主総会を経て、
6
月
28
日付で宝ホールディングス株式会社の
新社長に就任いたしました。
「
TaKaRa
グループ・ビジョン
2020
」の実現に向けて、
csR
TaKaRa
グループは、安心・安全な商品やサービスをお届けするとともに、医療の進歩に貢献し、
人々の暮らしを豊かなものにしていくことで、様々なステークホルダーの期待に応えていきます。
csR
活動の基本方針
TaKaRa
グループは、社会の一員として企業理念に則り、本業の事業活動を通じて社会に貢献していくことをすべての基本とし ています。国内外を問わず様々な環境変化が予想されるなか、グ ループ全体の企業価値向上を実現していくためには、成長戦略と 一体化した
csR
活動の強化が不可欠であると考えています。こうした認識のもと、「
TaKaRa
グループ中期経営計画2013
」では、国内外のグループ会社一体となったコンプライアンス体制の構 築に加え、生物多様性保全の推進、
co
2排出量削減などの環境活動の強化、グループ全体の成長に不可欠な風土・人財の育成 など、
csR
活動をグループ全体でより一層強化していくことを定めました。
csR
活動の重点分野
TaKaRa
グループは、安心・安全な商品やサービスを提供し続けることが最も重要な
csR
活動であると考えています。こうした商品やサービスを通じて、人々の暮らしを豊かなものにするとともに、 環境保全などを通じて社会に貢献しながら、グループの持続可能 な成長の実現を図っています。
TaKaRa
グループの
csR
活動
主要な
csR
活動は、グループ全体の売上の約90%
を占める宝酒造グループの取り組みが中心となっています。宝酒造グループ の主要事業である酒造りは、穀物や水など自然の恵みをもとに、微 生物という自然の働きによって行われます。酒造りは、こうした自然 の力を借りて初めて行うことができるため、「自然との調和」を第一 に掲げ、自然環境に配慮した活動を展開しています。加えて、酒類 を販売する企業にとって避けて通れない空容器問題や、適正飲酒 の啓発活動もまた、
csR
活動の重要課題であると認識しています。一方で、タカラバイオグループは、売上こそグループ全体の 約
10%
ですが、従業員数ではグループ全体の30%
以上を占めるとともに、研究開発費ではグループ全体の約
90%
を占めています。タカラバイオグループは、革新的なバイオ技術を通じ、がん領域や エイズといったアンメット・メディカルニーズの高い疾病を対象 とした遺伝子治療や細胞医療という先端医療技術の開発や商業 化を進めています。タカラバイオでは、これらの研究開発について、 生命倫理の観点からも適正に実施していきます。
研究開発費構成
タカラバイオグループ 87.8% 宝酒造グループ・他 12.2%
従業員構成
宝酒造グループ 61.6% タカラバイオグループ 33.3%
宝ヘルスケア 0.4%
その他 4.7%
csR
活動の重点分野における取り組み
品質と安全:品質検査(宝酒造)
宝酒造は、食の安心・安全に対するニーズに応えるため、確か な品質管理体制のもと、商品企画から製造・出荷に至るまでを実 施しています。さらに、お客様に正
確な情報をお伝えするため、事前審 査のうえ、原材料・栄養成分などを ラベルに表示しています。
品質と安全:誤飲防止(宝酒造)
宝酒造は、目の不自由 な方の誤認飲酒を防止 するため、
1995
年に国 内で初めて缶チューハイ の缶ぶたに点字で「おさけ」の表示を入れ、
2002
年には、やはり国内で初めて紙パック酒 類のキャップに同様の点字表示を行いました。品質と安全:適正飲酒(宝酒造)
宝酒造は、酒類を販売する企業の重要な社会的責任として、 「ルールを守った節度ある飲酒」を呼びかける様々な活動を行って
います。お酒の正しい知識や飲み方 をまとめた冊子「お酒おつきあい読 本」を発刊しているほか、
1995
年か らは未成年者飲酒、飲酒運転防止 のための注意表示を酒類製品に表 示しています。生命倫理と安全:倫理面・安全面の審査(タカラバイオ)
タカラバイオでは、ヒト由来の組織・細胞・臨床材料・ゲノム・ 遺伝子等を用いた研究開発事業、これらを用いた遺伝子検査・受 託業務に関する事業およびヒト組織・細胞製品の供給に関する事 業等を行っています。これらの事業活動を行ううえで、関連法規 の遵守はもとより、人権の尊重ならびに当該事業活動を通じた社 会貢献が適切に行われることが重要であると認識し、「生命倫理・ 安全規程」を定め、社内に設置した生命倫理委員会の審査を厳 格に行っています。
環境保全:4Rの推進(宝酒造)
酒類業界にとって、酒類などが消費された後に発生する空容器 処理は重要な問題です。宝酒造では、新たな容器の発生を回避 する「はかり売り」を実施するなど、
容器の
4
R(リフューズ:発生回避、 リデュース:減量化、リユース:再利 用、リサイクル:再資源化)を推進し ています。社会貢献:環境啓発活動(宝ホールディングス・宝酒造)
宝ホールディングスでは、公益信託「
TaKaRa
ハーモニスト ファンド」を1985
年に設立し、以降毎年、自然環境保護活動や研 究に地道に取り組む団体や個人に対して助成活動を行っていま す。第1
回からの助成先数は延べ291
件、助成金累計は約1
億4,000
万円になりました。また、宝酒造では、2004
年から、次世 代を担う子供たちに自然の尊さや生物多様性の大切さを伝える 「宝酒造田んぼの学校」を開校し、環境教育を実施しています。「宝酒造 田んぼの学校」が
第9回企業フィランソロピー大賞特別賞を受賞
環境イベント「宝酒造田んぼの学校」が、公益社団法人日 本フィランソロピー協会が主催する第
9
回企業フィランソロ ピー大賞において「特別賞」を受賞しました。企業フィランソ ロピー大賞は、「企業の本業を活かした社会貢献活動を顕彰 する」ことを目的に2003
年に創設された賞で、今回の受賞は、 「酒造会社がその最も重要な原料であるお米に着目し、お米が産出される田んぼに社会貢献の場を発見したこと」に対す る高い評価に基づいています。
「宝酒造田んぼの学校」は、田植え、草取り、稲刈りなどの 農作業体験とともに、田んぼやその周辺の自然観察、さらに は収穫したお米が や本みりんになる
過程を学習する環境教育プログラムで、 参加者は自然の恵みと命のつながりを 学ぶことができます。
2004
年から2010
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスの
基本的な考え方
当社グループでは、コーポレート・ガバナンスの充実を、持続的 な企業価値向上のための重要な経営課題と捉え、以下の基本的 な考え方のもと、その充実に努めています。
当社グループ全体の企業価値向上のために、
①
グループ各社に権限を委譲し、 自立経営のもと事業の展開ス
ピードをあげ、各社において企業価値向上を追求する。 ②
会議体の定期的な運営等を通じ、各社の事業報告や今後の経
営方針・事業戦略について意見交換しあえる風土を維持するこ とで、グループ全体の企業価値向上を追求する。
③
法令遵守の姿勢や倫理性を確保し、 コンプライアンス体制を維
持することで、グループ全体での企業の社会的責任を果たす。 ④
オープンかつタイムリー、そして正確な情報開示を継続し、適
時開示に対する社内体制を維持することで、 経営の透明性を 高める。
コーポレート・ガバナンス体制に
ついて
当社は監査役設置会社であり、
2012
年6
月28
日現在、監査役会は
5
名(うち3
名は社外監査役)で構成されています。また、取締役会は
9
名で構成されており、うち1
名は社外取締役です。この体制下において、監査役監査に加え、株主を含むすべての ステークホルダーの視点に立脚する幅広い見識をもった独立性の 高い社外取締役が、監査役会や内部統制担当役員と連携を図り 業務執行の監査・監督に関与することで、経営に対する監督機能 を強化しています。
また、持株会社として、グループ各社の独自性・自立性を維持し つつ、グループ全体の企業価値の最大化を図ることを目的に「グ ループ会社管理規程」を制定し、「グループ戦略会議」、「マザー協 議連絡会議」、「タカラバイオ連絡会議」、「宝ヘルスケア戦略会議」、 「機能子会社協議連絡会議」を通じて重要案件の事前協議や報告
を義務付けています。
監査役監査、内部監査および
会計監査について
当社の監査役は、取締役会等の重要会議への出席や業務・財 産および重要書類の調査ならびに必要に応じて担当取締役および 担当者への聞き取り調査等を実施し、これらを通じて、取締役の 職務執行の監査を行っています。内部監査については、被監査部 門から独立した監査室を設置し、「内部監査規程」に基づく内部監 査を実施して必要な対策を講じることにより、職務執行の適正確 保に努めています。なお、監査室、監査役会および会計監査人は、 監査計画・監査方針・監査実施状況に関して定期的に意見交換 を行うほか、情報・意見交換、協議を行う等、相互連携を図って います。
コーポレート・ガバナンスに
重要な影響を与えうる特別な事情
当社の上場子会社タカラバイオ株式会社について
2012
年3
月31
日現在、当社は、タカラバイオ株式会社(東証マザーズ、コード番号
4974
)の議決権の70.8%
を所有する親会社であり、当社と同社の関係は以下の通りです。
①当社グループにおけるタカラバイオ株式会社の位置付け タカラバイオ株式会社は、
2002
年4
月1
日に、物的分割の方法により当社の
100%
子会社として設立しました。その後、当社の議決権所有比率は、同社による第三者割当増資、公募増資、新株予約 権付社債の発行等により、現在の議決権所有比率となっています。
2012
年3
月31
日現在、当社グループは、純粋持株会社である当社、子会社
37
社および関連会社5
社で構成され、その中でタカラバイオ株式会社はバイオテクノロジー専業の事業子会社として位 置付け、当社グループとしてバイオ事業を推進しています。 ②当社のグループ会社管理について
タカラバイオ株式会社についても、前述の「グループ会社管理規 程」を適用し、同社の取締役会において決議された事項等の報告 を受けていますが、取締役会決議事項の事前承認等は求めておら ず、同社が独自に事業運営を行っています。
当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針
(買収防衛策)について
当社は、
2006
年5
月15
日の当社取締役会決議により、企業価値、ひいては、株主の皆様の共同の利益を確保し、又は向上させる ことを目的に、「当社株券等の大規模な買付行為に対する対応方針 (買収防衛策)」を導入しました。
しかし、株主の皆様の意思をより多く反映させることが株主の皆 様の共同の利益の最大化に資するとの考えから、
2007
年5
月15
日開催の当社取締役会において、買収防衛策の導入を当社の株主総 会にお諮りして株主の皆様の決議に付すこと、および、対抗措置発
動の判断は、原則として当社の株主総会での決議をもって執り行う こと、といった内容を有する買収防衛策に変更することを決議しま した。その内容につきましては、当社ホームページ(
http://www.
takara.co.jp/
)並びに有価証券報告書において概要を掲載しておりますのでご参照願います。
なお、
2007
年6
月28
日開催の当社第96
回定時株主総会において、当買収防衛策の導入が承認可決され、
2010
年6
月29
日開催の当社第
99
回定時株主総会において、その一部変更及び継続が承認可決されています。
大規模買付者の出現
大規模買付者による意向表明書の提出
大規模買付者に対する必要情報リストの交付
大規模買付者による情報の提出
必要情報の再提出を要求
必要情報としての十分性について判断
取締役会による検討期間開始を表明
対抗措置不発動
大規模買付行為の開始 (新株予約権無償割当て)対抗措置発動
取締役会による評価検討
対抗措置発動の必要性・相当性を検討(検討期間:検討期間開始日から30 営業日以内)
株主意思確認株主総会
対抗措置発動(新株予約権無償割当て)の是非を決議 (検討期間終了後60 営業日以内に開催(原則))
外部専門家
大規模買付ルールを遵守した場合
5 営業日以内
必要情報として十分ではないと
判断した場合 必要情報として十分であると判断した場合
対抗措置発動の必要性・相当性がないと判断した場合 対抗措置発動の必要性・相当性があると判断した場合
否決 可決
提出された情報が当社株 主の皆様の判断及び当社 取締役会としての意見形 成のために十分であるか 否かにつき助言
(必要情報として十分な情報が わない場合で あっても初回情報提供日から30営業日が経過し
たときは直ちに検討期間を開始する。) 対抗措置発動の必要性・
相当性の有無につき助言
大
規
模
買
付
ル
ー
ル
を
遵
守
せ
ず
に
大
規
模
買
付
行
為
を
開
始
初
回
情
報
提
供
日
か
ら
検
討
期
間
開
始
日
ま
で
最
大
30
営
業
日
大規模買付ルール
1
当社取締役会に対して、事前に大規模買付行為に関する必要十分な情報の提出2
(a
)すべての大規模買付者は、検討期間開始日から
30
営業日を上限とする当社取締役会による評価検討が終了するまでは、大規模買付行為を開始してはならない
株主総会
執行部門・グループ会社 取締役会
(9名)
(うち社外取締役1名) 監査役会
(5名)
(うち社外監査役3名)
代表取締役
(3名) 監査室
コンプライアンス委員会 内部統制委員会
総務部
(事務局)
グループ戦略会議 経営会議体(重要事項協議)
宝ヘルスケア
戦略会議 協議連絡会議機能子会社 マザー協議連絡会議*1
タカラバイオ 連絡会議*2 選任・解任
選定・監督
招集
監査
監査 監査
選任・解任
報告 報告
報告
会計監査 報告
報告
報告 指示
報告 指示 報告
指示
内部監査
選任・再任の同意・解任・監視 監査
報告
指示
報告
選任
選任・解任
*1 マザー(宝酒造グループ)協議連絡会議
*2 タカラバイオ連絡会議は、タカラバイオ(株)の業績・活動状況等の報告を目的としたものであり、同社の取締役会決議事項の事前承認等は求めておらず、 同社の自主性・独立性を妨げるものではありません。
会
計
監
査
人
コーポレート・ガバナンス体制の模式図
(2012年6月28日現在)タカラバイオ連絡会議
宝ホールディングス(株)の代表取締役、事業管理担 当役員、経理担当役員、財務・iR担当役員、監査役
ならびにタカラバイオ(株)の取締役、監査役、執行 役員で構成され、タカラバイオ(株)の業績報告およ び活動報告を行っています。
宝ヘルスケア戦略会議
宝ホールディングス(株)の代表取締役、事業管理 担当役員、経理担当役員、財務・iR担当役員、タカ
ラバイオ(株)の代表取締役、医食品バイオ担当役員 および宝ヘルスケア(株)の社長で構成され、宝ヘル スケア(株)の運営・業務・財政状態・経営成績等 に影響を与える重要事項の決定や、重要事項の発生 に対する対応などの特定事項に関する事前協議なら びに業績報告、活動報告を行っています。
機能子会社協議連絡会議
宝ホールディングス(株)の事業管理 統括役員、事業管理担当役員、経理 担当役員、財務・iR担当役員、および機能子会社(大平印刷、川東商事、 宝ネットワークシステム)の社長で構 成され、機能子会社の運営・業務・ 財政状態・経営成績等に影響を与え る重要事項の決定や、重要事項の発 生に対する対応などの特定事項の事 前協議ならびに業績報告、活動報告 を行っています。
マザー協議連絡会議
宝ホールディングス(株)の取締役、監査役ならび に宝酒造(株)の取締役、監査役、執行役員で構成さ れ、宝酒造グループの運営・業務・財政状態・経営 成績等に影響を与える重要事項の決定や、重要事項 の発生に対する対応などの特定事項に関する事前協 議ならびに業績報告、活動報告を行っています。
グループ戦略会議
宝ホールディングス(株)の取締役、監査役ならび に宝酒造(株)・タカラバイオ(株)・宝ヘルスケア(株) の代 表 取 締 役で構 成され、グループ経 営 方 針、 中・長期計画、年度予算、年度活動計画、年度投 融資計画、配当政策、半期ごとの業績レビューなど、
TaKaRaグループのグループ経営全体に関わる重要
事項の協議を行っています。
経営会議体・委員会への役員の出席状況
会議体(開催頻度) 取締役・監査役 戦略会議グループ
(年6回)
マザー 協議連絡会議
(月1回)
バイオ 連絡会議 (月1回)
宝ヘルスケア 戦略会議 (年4回)
機能子会社 協議連絡会議
(年4回)
コンプライアンス 委員会 (年2回)
内部統制 委員会 (年2回)
代表取締役会長 大宮 久 ○ ○ ○ ○ ○ ○
代表取締役副会長 大宮 正 ○ ○ ○ ○ 議長 ○ ○
代表取締役社長 柿本 敏男 議長 議長 議長 議長 委員長 委員長
取締役 矢野 雅晴 ○ ○ ○ ○
取締役 松崎 修一郎 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
取締役 岡根 孝男 ○ ○ ○ ○
取締役 中尾 大輔 ○ ○ ○ ○
取締役 仲尾 功一 ○ ○ ○ ○ ○
取締役(社外取締役) 植田 武彦 ○ ○ ○ ○
常勤監査役 田 富雄 ○ ○ ○ ○ ○
常勤監査役(社外監査役) 半田 邦博 ○ ○ ○ ○ ○
監査役 友村 秀夫 ○ ○ ○ ○ ○
監査役(社外監査役) 香川 孝三 ○ ○ ○ ○
監査役(社外監査役) 北井 久美子 ○ ○ ○ ○
社外取締役から投資家の皆様へ
社外取締役の役割について
社外取締役として、投資家の皆様へご挨拶申し上げます。 私は、界面活性剤をはじめ各種工業用薬剤を製造・販売する第 一工業製薬株式会社の代表取締役社長を
6
年間務めた後、2007
年に宝ホールディングス株式会社の社外取締役に就任いた しました。上場企業経営者の経験に照らし、宝ホールディングス の取締役会において、適宜発言を行うとともに、監査役会と連携 して業務執行担当役員へのヒアリングを行い、経営監督機能を強化する役割を担っています。
コーポレート・ガバナンスについて
コーポレート・ガバナンスの観点から見て、宝ホールディング スには、二つ特徴があると認識しています。一つは、大宮久前社 長(現会長)が
19
年間に亘り社長として築き上げてきた厳しい社風です。その厳しい社風は、たえずステークホルダーの満足につ ながることを価値判断の根底に置く経営姿勢と、外的要因を言 い訳にしない目標・計画達成へのこだわりに現れています。 二つ目の特徴は、ガバナンス体制です。宝ホールディングス は、宝酒造、タカラバイオ、宝ヘルスケアという
3
つの異なる特性を持つ事業会社を中核に、
37
社の連結子会社を有しており、企業グループとして整合性のある意思決定を行っていくために、 取締役会の他に重要事項を協議する経営会議体を複数設置 し、これらを通じて子会社の財務状況についても細心の注意を 払っています。この仕組みはグループ経営の最適化を図るうえ で、またグループ会社による不正を防ぐうえでも、有効であると
認識しており、社外取締役としても積極的に関わっています。 柿本新社長の就任にあたり、宝ホールディングスのコーポ レート・ガバナンスを象徴する、これらの特徴が堅持されるよう、 社外取締役として客観的な情報に基づき助言を行っていきたい と考えています。
TaKaRa
グループの強みについて
TaKaRa
グループは、堅実さを基本としながらも、旺盛なチャレンジ精神を持った企業です。お酒の発酵技術をルーツとする バイオ事業への進出や、既存事業と関連性の高い事業の買収に よる海外進出などは、
TaKaRa
グループの持つ堅実さとチャレンジ精神のなせる業であり、今後の事業展開を考えたとき、この 風土は大きな強みになると考えています。私は社外取締役とし て、
TaKaRa
グループの発展を支えてきたこれらの強みを廃れさせることなく、さらなる発展へと導くため、提言を行っていきたい と考えています。
役員
2012年6月28日現在
大宮
久
(69歳) 宝ホールディングス株式会社代表取締役会長 兼宝酒造株式会社
代表取締役会長 兼タカラバイオ株式会社
取締役会長
1968年 4月 当社入社
1974年 4月 開発部長
5月 取締役
1982年 6月 常務取締役
1988年 6月 専務取締役
1989年 7月 バイオ事業部門本部長
1990年 4月 東地区酒類事業部門本部長
1991年 6月 代表取締役副社長
1993年 4月 酒類事業部門本部長
6月 代表取締役社長
2002年 4月 宝酒造(株)代表取締役社長
タカラバイオ(株)取締役会長(現職)
2012年 6月 当社代表取締役会長(現職)
宝酒造(株)代表取締役会長(現職)
大宮
正
(62歳) 宝ホールディングス株式会社 代表取締役副会長(事業管理、財務・iR、 経理、環境広報統括) 兼宝酒造株式会社 代表取締役副社長
2000年 2月 (株)富士銀行国際部参事役
5月 同行退職
6月 当社入社
2001年 4月 経営企画室長
2002年 4月 経営企画統括部長
6月 取締役
2004年 6月 代表取締役副社長
2006年 6月 宝酒造(株)代表取締役副社長(現職)
2012年 6月 当社代表取締役副会長(現職)
柿本
敏男
(61歳) 宝ホールディングス株式会社 代表取締役社長兼宝酒造株式会社
代表取締役社長
1973年 4月 当社入社
2001年 4月 技術・供給企画室長
2004年 6月 宝酒造(株)常務取締役
2010年 6月 当社代表取締役副社長
宝酒造(株)代表取締役副社長
2012年 6月 当社代表取締役社長(現職)
宝酒造(株)代表取締役社長(現職)
仲尾
功一
(50歳) タカラバイオ株式会社代表取締役社長
兼宝ホールディングス株式会社
取締役
1985年 4月 当社入社
2002年 4月 会社分割に伴い、タカラバイオ(株)取締役就任
2007年 6月 同社代表取締役副社長
2009年 5月 同社代表取締役社長(現職)
Takara Bio usa Holdings inc.
代表取締役社長(現職)
宝生物工程(大連)有限公司董事長(現職) 宝日医生物技術(北京)有限公司董事長(現職)
6月 当社取締役(現職)
2010年 3月 Takara Korea Biomedical inc.